【金融】金融業界ではスーツに茶色靴は不採用？低所得層出身者を差別

http://www.nikkansports.com/general/news/1707028.html

スーツに茶色の靴を合わせる人は不採用－。英国の金融業界の採用面接で、上流階級出身者の間に伝わる
服装などのしきたりが合否を左右していることが、英政府系機関の調査で明らかになった。
しきたりを知らない低所得層出身者らを差別的に不採用にしているとの批判も出ている。

　英メディアによると、金融機関の面接では服装や話し方、アクセント、振る舞いに重点が置かれ、
裕福な家庭出身で子どもの頃に私立学校に通い、ケンブリッジ大など有名大を卒業した人が採用されやすい環境にある。

　実際に、担当者から能力を認められながら「洗練されていない」「スーツに茶色の靴はふさわしくない」
「能力は高いが、ネクタイの色が服に合っていない」との理由で不採用を告げられたケースもあった。

　調査を率いたミルバーン元保健相はＢＢＣ放送の取材に、能力よりも服装や振る舞いを重視する状況に
「衝撃的な結果だ」と驚きを隠さず「多くの銀行は目を覚ます必要がある」と語った。

　デーリー・テレグラフ紙によると、金融機関が集まるロンドンの「シティー」では、
１９８０年代以前は黒のスーツに黒い靴が定番だった。外資系金融機関が多数進出した現在ではサンダル姿で出勤する幹部もいるが、
「シャツより明るい色のネクタイを締めた男は信用するな」など服装に関する“格言”は今も多く残っているという。

　調査は格差の実態把握を目的に大学教授らが中心となって実施。３～５月に金融機関への就職希望者ら５０人以上から聞き取りを行った。（共同）