【国際】中国、ＧＤＰ計算方法を見直し　企業の研究開発費を加算

http://jp.reuters.com/article/china-gdp-breakingviews-idJPKCN0ZM0PV

［香港　６日　ロイター　BREAKINGVIEWS］ - 中国政府が国内総生産（ＧＤＰ）の算出方法見直しを発表した。
企業の研究開発費をＧＤＰに加算することが柱だが、これは「創造的破壊」ならぬ「創造的無駄」の温床になりかねない。
今回の見直しにより、昨年のＧＤＰは１．３％増えるが、ＧＤＰ成長率は６．９％で、従来からおおむね変更はない。
研究開発費の加算は国際基準に沿ったもので、それ自体は決して非難すべきものではない。
ただ、地方政府が研究開発を「品質改善の手段」ではなく、「商品」ととらえれば、必要以上の補助金が研究開発に流れる恐れがある。
李克強首相は今年１月、「新たな薪をくべてイノベーションの火をおこす」と発言。地方政府はロボット工学など
ハイテク産業への進出を奨励しており、資金不足に悩む地元企業に低家賃で「イノベーション・スペース」を貸し出すなど、
「第２のアリババ」の育成に余念がない。
極端な例が上海で、同市は、新興企業への投資に失敗したベンチャーキャピタリストに対する損失補償の計画まで発表している。

問題は、不適切な補助金が容易に支給され得ることだ。また、商業用不動産など、地方政府が理解しやすい分野
に補助金が流れる傾向もある。実際、太陽光発電やロボット工学の分野では、低利融資や補助金が過剰設備を生み出す原因となった。

その一方で、イノベーションには依然として大きな壁が立ちはだかる。中国では新興企業の株式公開は難しく、
発明を採算のとれる事業に転換するのは至難の業だ。
中国製品は以前に比べて洗練度を増してきたが、これは外からは見えない内部工程の工夫によるところが大きく、他社にはなかなかまねができない。
一連の調査によると、中国企業は設備投資にはまだ慎重だ。価格決定力も依然として弱い。
これはＧＤＰの算出方法変更では解決できない問題だ。


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http://www.asahi.com/articles/ASHD476FQHD4ULFA04Q.html